選評
作者のりべらというペンネームは自由を意味するもの、このペンネームへのこだわりがこの作品の魅力を表しています。これは大作であり、現代文明に対する問題提起をしている壮大な作品です。
絵画的にも、水彩画がとても美しい。前半のページの青緑、それが薄い彩色で味わいがあり、とても心地いい世界でした。ストーリーが進むに連れ、文明の危機、人類と自然との共生、自然との共感を失っていくプロセスが、絵本でありながら見事に表現されています。
ストーリーは悲劇的なように見えますが、最終的には自然との交流、エコロジカルな生き方への一筋の小さな希望が提案されています。この本は、哲学や思想のメッセージが色濃く表現されており、こども向き、おとな向きという範疇を超えてとても重要な、多くの人に知ってほしい本になっていると思います。
受賞者のコメント
このたび、私達「りべら」の作品に目をとめて頂いたこと、大きな驚きと喜びを感じております。
古木が大洪水から村人を守ったという言い伝えをベースに、自然のふところの深さを表現しようとしました。人に人生があるように、一本の木にもかけがえのないドラマチックな生涯があります。それが見えたら、もっと心豊かに生きられるのに。はたして、多少なり皆様の心に触れられたでしょうか。この作品を見てくださった全ての方々に深く感謝致します。


