2015年1月5日掲載
ハワイ在住のライター、酒井美奈です。「日立の樹オンライン」をご覧のみなさま、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
今回の「ハワイ便り」は、モアナルア・ガーデンで「日立の樹」として親しまれているモンキーポッドについて、クローズアップしてみます。
モンキーポッドは、メキシコ、ペルー、ブラジルにかけての中南米を原産とする常緑広葉樹で、アジアや太平洋の熱帯・亜熱帯の各地域に広く移植されています。
ハワイのモンキーポッドは、1840年代にメキシコからオアフ島とカウアイ島に持ち込まれた種子が最初といわれています。今では公園や道路沿いなどに植栽にされ、ハワイの風景の一部になっています。
モンキーポッドは、枝が左右対称に広がるのが特徴です。種や挿し木から比較的容易に育ち、成長するのが早いことから、公園などでは日陰をつくる樹として植えられます。
「日立の樹」は、枝の広がりが約40メートルと大きく、ほとんど水平に伸びていることもあり、とても美しい形をしています。
幹回りは約7メートル、幹の表面は黒っぽく厚い樹皮で覆われ、長い年月を経てきたことを感じさせます。
木材としてのモンキーポッドは、固くて強度があり、軽量で腐りにくいことから、ボウルなどのハワイ産の工芸品に使われるほか、家具や船などに利用されています。木造住宅の天敵であるシロアリにも強く、床材としても使われます。
丸みを帯びた葉は、日の出とともに開き、暗くなると閉じます。その様子は、夜になると眠るかのようです。雨が降る前にも葉が閉じることから、レインツリーとも呼ばれますが、ハワイではモンキーポッドの名が一般的です。
葉の色は、年間を通して、ほぼ緑のままで紅葉はしませんが、2月から3月にかけて古い葉が落ちると、数週間、葉のない時期があります。
花は、細い糸を重ねて広げたような白と淡いピンク色で、樹から落ちると、すぐにしおれてしまうほど繊細です。15センチくらいの長さのさやに、種が入っています。
大きなモンキーポッドは、鳥たちもお気に入りなのか、多くの鳥たちがやってきて遊んでいる姿を目にします。園内には鳥の巣があるモンキーポッドもあります。
樹齢が約130年の「日立の樹」は、ハワイの地にしっかりと根付き、地元の人たちにも動物たちにも愛されています。ハワイを訪れる際は、ぜひモアナルア・ガーデンにお越しください。