2016年11月10日掲載
アロハ! ハワイ在住のライター、酒井美奈です。今回の「ハワイ便り」は、オアフ島のモアナルア・ガーデンからお届けします。
10月に入り、日ざしが少しずつ和らいできました。これから冬が近づくにつれ、ハワイは雨の日が多くなります。雨は夜に降ることが多く、私が訪れた日も昨夜の雨の残りでしょうか、「日立の樹」の下には大きな水たまりがありました。
「日立の樹」は、主に亜熱帯で見られるモンキーポッドという種類の木で、5月頃と11月頃の年2回、花をつけます。今年は少し早く、もう花が咲いていました。緑の葉の間に淡いピンク色の花がついているのが見えます。
近寄って見ると、緑色の枝が伸び、その先に数個の花が咲いているのが分かります。風を受けて、柔らかい葉と花が揺れています。
糸のように繊細な、花びらのように見えるのは雄しべです。花の周りにある葉は明るい緑色で、若々しい印象です。
クリーム色に、ほんのりピンクがかった小さなつぼみもたくさんありました。花の咲く時期は木によって違うようで、この日、モアナルア・ガーデン内の他のモンキーポッドにはあまり花が咲いていませんでした。
「日立の樹」の幹は力強く、水平方向に大きく伸びています。涼しい木陰で、可憐(かれん)な花とダイナミックな枝の造形美を眺めながら、鳥のさえずりに耳を澄ます…。「日立の樹」は遠くから眺めるだけでなく、表情豊かな木陰の風景も楽しめます。