2017年9月8日掲載
アロハ!ハワイを拠点にフリーアナウンサーとして活動している瀬川慶(Kei Segawa)です。
ハワイでは学校や団体活動などのための必要資金を集める「ファンドレイジング」が頻繁に行われています。特に週末に行われることが多く、地元のイベントとして盛り上がり、大勢の人が集まります。
ファンドレイジングの内容も多彩で、景品が当たるくじ券の販売や、ガソリンスタンドの片隅を借りての洗車など、労働力の提供も多くみられます。でも、食べることが大好きなハワイの人々に人気なのは、おいしい食べ物のファンドレイジング。この日もチキンのセールが教会と学校で行われていました。
参加したのは地元のフラチームのメンバーで、子どもたちも大勢います。アメリカ本土で行われる遠征公演の資金集めのため、地元のチキン屋さんと共同で、ファンドレイジングを主催しているのだそうです。
特製のスパイスで下味がついているバーベキューチキンをひとつずつ串に刺し、回しながらじっくりと焼いていました。良質な木炭・燻(くん)製用木材として知られるKIAWE(キアヴェ)炭を使っていることもあって、本当においしそうな香り! その香りにつられて多くの人たちが寄ってきます。
さらに、お菓子やランチョンミート*のおにぎりなど、参加者それぞれが手作りのものを提供し、ファンドレイジングに協力します。 売り上げはすべて主催した団体に属し、必要な資金として使われます。
一方、お客さんを集めるため、子どもたちが通りがかりの車や人に向かって、手作りのサインボードを両手に元気に呼びかけていました。それに対して運転手はクラクションを鳴らすことが多いのですが、これは決して警告などをしているのではなく「応援しているよ!」ということを示す温かいサポートメッセージなんです。
準備は大変ですが、提供する労働力やおいしい食べ物などのサービスを喜んでくれる人たちがいることを実感したり、チームワークの大切さを学ぶことができるのが、このファンドレイジング。仲間だけでなくたくさんの方に支えられていることを再認識でき、感謝の気持ちも育まれていく、ハワイの人々にとって大切な行事でもあるのです。