2019年6月10日掲載
アロハ!ハワイを拠点にフリーアナウンサーとして活動している瀬川慶(KEI SEGAWA)です。
ワシントン・プレイス(ハワイ州知事公邸)は、ホノルルのハワイ州都歴史地区にあります。1847年にアメリカ人のジョン・ドミニス船長によって建てられました。彼の息子である2代目ジョン・ドミニスと結婚したのが、ハワイ王国最後の君主となったリリウオカラニ女王でした。
1893年にクーデターによって失脚したリリウオカラニ女王は、その2年後にこのワシントン・プレイスで逮捕され、一時期イオラニ宮殿に幽閉されました。その後は再びここに戻り、1917年に78歳で息を引き取るまで静かに暮らしました。ここはハワイの方にとって、歴史的に記憶されている場所なのです。
リリウオカラニ女王の死後、おいのクヒオ王子によって売却されたワシントン・プレイスは、1922年から2002年までハワイ州知事公邸として使われ、歴代13人の州知事が生活をしました。しかし、現在は同じ敷地内に新しい州知事公邸が建設され、旧公邸は博物館兼州知事主催のイベント会場として活用されています。
中に入ると、歴史を感じさせる雰囲気に、19世紀にタイムスリップしたような気分になります。リリウオカラニ女王が愛したといわれるコア・ウッドのピアノのある音楽室や女王の亡くなった寝室、豪華なダイニングルームなどから当時の女王の暮らしぶりがうかがえます。
今回、現在のハワイ州知事であるデビッド・イゲご夫妻主催の昼食会がワシントン・プレイスで行われました。テラスになった中庭に設置されたバンケット会場は、風が吹き抜ける心地よい空間です。州知事に迎えられて過ごすひと時はめったにない経験なので、参加者たちの笑顔が印象的でした。
現在、ワシントン・プレイスでは木曜日にガイドツアーを行っています(要予約)。ツアー参加は無料ですが、ワシントン・プレイス保護のためのドーネーション(寄付)を呼びかけています。170年以上もの間、ハワイの歴史を静かに見つめてきた場所に、ぜひ足を運んでみてください。