2020年6月10日掲載
アロハ! ハワイを拠点にフリーアナウンサーとして活動している瀬川慶(KEI SEGAWA)です。
今回は、新型コロナウイルスの影響を受けながら「アロハスピリット」で乗り越えようとするハワイの様子をお届けします。
3月25日から不要不急の外出が禁止されたオアフ島。観光地であるハワイでは、デービッド・イゲ州知事が、ハワイへのバカンスの延期を要請する、異例ともいえるメッセージを発信しました。
いつもは賑(にぎ)わっているワイキキビーチに人の姿はなく、道には車も走っていません。ホテルや店舗の入口はベニヤ板などで閉ざされました。こんな静かなワイキキの風景を見るのは、多くの人にとって初めてのこと。閑散とした町は現実味がなく、まるで映画の中の世界のようでした。
そんな中でもハワイの人々が長い間大切にしてきた、助け合いや親切・寛容の精神「アロハスピリット」を象徴するような出来事がありました。学校では、外出禁止令からそのまま夏休みに突入し、卒業式やプロム*などが軒並み中止になったのですが、卒業式に参加できなかった学生たちに町をあげて祝福と応援のメッセージが届けられたのです。
5月中旬から、ようやくハワイの新型コロナウイルスの感染者数が横ばいになり、規制緩和が始まりました。まず、州や市管轄の公園が開放されました。テイクアウトのみ許可されていたレストランなどの飲食店も徐々に営業が再開され、外出禁止期間も5月31日で終了しています。
それでも、人との一定の距離を保つ「ソーシャル・ディスタンシング」は、今後も継続されるでしょう。建物の入口には消毒液が置かれ、マスク着用も常識になりつつあります。スーパーマーケットや商店では、高齢者優先の時間帯の設定や商品を選ぶ際の距離感を保つポール設置、店内の通路を一方通行にするなど、さまざまな工夫がされています。
急な規制で生活が一変して戸惑う人も多かったようですが、慣れてしまえば難しいことではありません。約8週間におよぶ外出禁止令で人出が減ったことで、空気や海がキレイになったという報告もあります。
これからは毎日の生活を見直すことも必要なのだと思います。アロハスピリットを心に持ち、人にも環境にも優しい暮らしを各自が心がけること。そうすれば、ハワイはもっと魅力的な場所になるかもしれませんね。