2022年6月10日掲載
アロハ! ハワイを拠点にフリーアナウンサーとして活動している瀬川慶(Kei Segawa)です。
3月のアメリカ本土の春休み時期以降、すっかり観光業が再開しているハワイ。マスクの着用義務もなくなりいつものにぎわいを取り戻しています。パンデミックの大ダメージを受けたからこそ、旅行を楽しむ方の姿を見られることに改めてありがたみを感じています。
一方でパンデミック中においてよかったことといえばハワイの自然がより美しくなったこと。人がいないせいか、今までにないほど透明度の高い海が見られたり、ひなたぼっこをするハワイアンモンクシール(和名:ハワイモンクアザラシ)が連日現れたり、魚が増えたりと環境面ではいいことも多くありました。
そんな美しいハワイをさらに守っていこう! と今年のアースデイはいつも以上のにぎわいが見られました。週末にはハワイのボランティア団体主催のビーチクリーニングが開催されました。
私が参加したビーチクリーニングでは、案内はウェブサイトやSNSに場所と開催時間が発表されただけ。それでも当日は続々と参加者が集まってきました。エントリーなしで誰でも途中からでも参加してよいというものなのです。またクリーンアップに必要なものはすべて(ごみ袋、手袋、バケツ、シャベルなど、さらにはお水まで)主催者が用意してくれるので本当に身一つで参加できます。
気軽に参加できるとあって子ども連れのファミリーが多くいました。美しい自然を守るために必要なこと、ごみを出さないようにすること、また自分たちの手で環境を守っていくことなどすべてこのボランティア活動で感じてもらうことができる、お子さんへの最高の教育です。
あちこちに落ちているものを集めると、こんなにたくさんのごみが隠れていました。集めたごみは主催者がその場で仕分け作業をしてくれます。拾ったごみの量はウェブサイトで発表されます。ちなみに今回は約100名が参加し、拾ったごみの量は1,000ポンド(約453.6kg)でした。
その後、きれいになったビーチでホヌ(ウミガメ)を海に戻す儀式が行われました。人気の体験型マリンパークで飼育されているホヌたち。十分な体力があるホヌから順に時期を見て自然に帰します。KAHU(カフ)と呼ばれるハワイの神主様のような存在の方に来ていただきホヌたちの無事を祈ります。人々も十分な距離を取ってホヌにストレスを与えないよう最大の配慮をしながら見守ります。ホヌは初めての海にびっくりしながらもゆっくりと海の中に消えていきました。担当の方も、貴重な場面を見たお子さんたちに“環境を守るのは当たり前であることに気づき、継続していってほしい”とおっしゃっていました。
ハワイ州観光局も州を挙げてMālama(マラマ)ハワイをうたっています。“思いやる”“守る”という意味があるMālama。旅行者もボランティアへの参加は大歓迎です。ぜひいつもと違う体験をしてみてはいかがですか? 一人ひとりが意識するだけで相当な量のごみが減るはずです。