2022年10月7日掲載
アローハ! フリーランスライターの森谷です。
この夏、ワイキキの話題をさらっていたのがハワイアンモンクシール(和名:ハワイモンクアザラシ)の親子です。母親の名前はロッキー。2022年7月9日にワイキキの東端、カイマナビーチで男の子を出産しました。赤ちゃんには、地元の子供たちから募集した「コアラニ」(koa:勇士、勇気、lani:天国)というハワイ語の名前が付けられています。
絶滅危惧種のハワイアンモンクシールは2014年に保護団体が活動を始めてから少しずつ増え続け、今年発表された個体数は推定1,570頭。うち、オアフ、カウアイなどハワイの主要の島には、およそ400頭が生息すると言われています。そんなハワイアンモンクシールの子育てシーンを、旅行者で賑わうワイキキビーチで観ることができるのは、本当に貴重な体験です。もちろん、ハワイアンモンクシールを見学するためにはルールがあり、15メートル以上、親子の場合は45メートル以上の距離を保たなければなりません。ここカイマナビーチにも網が張られ、保護団体が24時間の監視を続けていました。
私がロッキー親子に会ったのは、生後3週を過ぎた頃。母親にピッタリ寄り添って砂浜に寝転ぶコアラニは、時折おっぱいを欲しがるような仕草を見せていました。しかし、モンクシールの子育ては想像以上に短く、出産後5〜7週間子育てをして離乳すると、母親がその場を離れるのです。ロッキーがカイマナビーチを離れたのは、生後約6週後。その後、コアラニは、保護団体によって静かなビーチに移されています。
ロッキーは、2017年にもカイマナビーチで出産。そして、カウアイ島では12回も出産しているベテランママさん。ロッキーがカイマナビーチで子育てをしている7月末には、遠く離れたラナイ島でロッキーのひ孫が誕生しているんですよ。この夏は、ノースショアでもハワイアンモンクシールの赤ちゃんが誕生しています。ハワイのビーチでは、絶滅危惧種であるアオウミガメが甲羅干しをする姿に遭遇することも。思わず近寄りたくなってしまいますが、アオウミガメもハワイ州法や連邦法によって3メートル以上の距離を保つことが決められており、違反者には罰金が科せられるので気を付けてくださいね。ハワイの人々が大切に守っている自然環境に敬意を払い、旅行者が決められた距離を保って見守ることも海洋動物保護に繋がるでしょう。