「日立の樹」があるモアナルア・ガーデンは、アメリカ合衆国ハワイ州オアフ島のワイキキから車で30分ほどの地にあります。地元の人々にとっての憩いの場として、また、観光スポットとして、多くの人々に親しまれています。園内には、ハワイ原産に限らず、さまざまな植物が世界中から集められており、モンキーポッドも、そのひとつです。機会がありましたら、ぜひ一度訪れてみてください。
こちらは、モアナルア・ガーデンの景観を4方向から撮影した画像です。
所在地
2850 A Moanalua Road, Honolulu, HI 96819
営業日・時間等の公園詳細につきましては公式サイトより直接ご確認ください。
モアナルア・ガーデンには、ハワイの伝統とともに歩んできた歴史があります。
この土地は、古くはハワイ王国を建国したカメハメハ王家の所有地でした。公園内に今も残るコテージは、1850年代にカメハメハ5世の別邸として建てられたものです。その隣にあるタロイモ畑は、初めてオアフ島に来た人々が、この地に住み栽培を始めた名残であるといわれています。オアフの歴史の原点ともいえる場所でした。
1884年、この土地は、王家と親交のあったサミュエル・デーモンという人物に譲られ、公園づくりが始まりました。デーモン氏は、多民族の融合と共存共栄を目指した王家の意思を受け継ぎ、この公園を広く一般の人に開放し、誰からも愛される場所にしようと考えました。公園内に世界中の文化を取り入れ、日本の茶室などもつくられました。今も公園内には、日本庭園風の池やチャイニーズ・ホールと呼ばれる東洋風の建物が残っています。
公園を彩る緑についても、ハワイ原産のものだけでなく、世界中からさまざまな植物が集められました。ハワイでは見掛けることが少ない竹も、そのひとつです。マンゴーの木やバニアンツリー、南米が原産地といわれるモンキーポッドも、このときに海外から取り寄せられたものです。
その姿は、多くの人々を受け入れながら歴史を重ね、発展してきたハワイの象徴ともいえます。樹齢およそ130年といわれる「日立の樹」は、こうした公園づくりに込められた思いとハワイに息づく伝統を、ずっと見守り続けてきたのかもしれません。