2016年10月7日掲載
アローハ! フリーランスライターの森谷です。
みなさんはハワイの特産物というと何を思い浮かべるでしょう。
コーヒー、マカダミアナッツ、パイナップル…?
実はあまり知られていませんが、ハワイの特産物の一つに海水塩があります。
ハワイ語で「パアカイ(Pa’akai)」と呼ばれる海水塩。
中でも、最もポピュラーで昔から使われているのは、ハワイ語で「赤い土」という意味の名を持つアラエア(Alaea)です。火山灰層の赤い粘土を煎ったものを海水塩に加えて作るアラエアは、鉄分やミネラルを豊富に含んでいて、うまみのある、まろやかな塩気が感じられます。
©Hawaii Tourism Authority (HTA) / Tor Johnson
マグロの刺身を塩とごま油でマリネにした「ポケ」。日本でも人気のハワイ料理ですが、ローカルな調味料、アラエアを足すときっと味の奥行きが増しますよ!
©Hawaii Tourism Authority (HTA) / Tor Johnson
赤土で覆われたカウアイ島には、ハワイでも希少な天然の塩田が残っています。真っ青な空の下、古来変わらぬ天日干しの手法で作られるアラエアの味は格別なことでしょう。
ハワイには他に、ラヴァ(Lava)と呼ばれる海水塩に溶岩の活性炭を加えた、くん製のような香りのする黒い塩や海洋深層水から作られるディープシーソルトなどがあります。スパイスをブレンドしたシーズニングソルトも地元では人気です。
ちなみに、かつてハワイではきび砂糖の生産も盛んでしたが、今では衰退しています。残っているマウイ島のサトウキビ畑も、近いうちに消えてしまうのかもしれません。
マウイ島のきび砂糖は、やさしい甘みでコーヒー、紅茶との相性が抜群。地元の人たちはストックして大事に使っていると聞きます。
自然の恵みをたっぷりと含んだ海水塩と、貴重なきび砂糖。
ハワイの人たちの日常に溶け込んだ、味わい深い調味料です。