2018年4月10日掲載
アローハ! フリーランスライターの森谷です。
エメラルドグリーンの海と白い砂浜、揺れるヤシの木、そして後方にそびえるダイヤモンドヘッド。このワイキキビーチの景色に魅せられて、ハワイを訪れる人も多いことでしょう。今回は、ハワイの象徴であるワイキキビーチの秘密をご紹介します。
ワイキキとは、ハワイ語で水(wai)が 湧く(kiki)という意味で、その名前の通り、かつてはタロイモ畑や養魚池、バナナ園が広がる湿地帯でした。ワイキキがリゾート地として脚光を浴びるようになったのは、1901年にワイキキ初のホテルが開業し、リゾート開発が始まってからのこと。湿地は埋め立てられ、島内やカリフォルニアから運ばれた白砂でビーチが造られました。
そう、ワイキキビーチは、人工ビーチなのです。
このワイキキビーチですが、厳密には「ワイキキビーチ」という名前のビーチは存在していません。ワイキキを中心に、東西に連なる8つのビーチの総称なのです。
例えば、ワイキキの西側には、広い芝生とビーチバレーコート、バーベキュー施設も備えたフォート・デルッシー・ビーチがあります。中央エリアで、デューク・カハナモク像*1が建つクヒオ・ビーチは、波が小さくて遊びやすいファミリー向けのビーチ。東側にあるカイマナ・ビーチは、「宝島」を執筆した冒険小説家スティーブンソンも絶賛したという、美しい白砂のビーチです。
ワイキキビーチでは、美しい景観を保つため、夜間に砂浜の整備や清掃など美化作業が行われています。整備された早朝のワイキキビーチは一層美しく、私もハワイに行ったときは、日の出を眺めながらビーチ散歩を楽しんでいます。
一方で昨年、キングタイド*2によって海面がワイキキビーチを越え、海沿いの大通りまで押し寄せました。ワイキキビーチの浸食問題は深刻で、波や潮の満ち引きによって、毎年砂浜が20〜30センチも浸食され続けています。このためハワイ州政府では、沖に流された砂をパイプで吸い上げて浜へ戻す補充作業や、コンクリートの基盤がむき出しになった部分には砂を詰めたサンドマットレスを敷き、その上に砂を盛って隠すなど、浸食対策に乗り出しています。
いつまでもワイキキビーチの景観を保つために、日々の美化作業や浸食対策など努力が続けられているのですね。これからも、この美しい景色が続きますように。