2020年4月10日掲載
アローハ! フリーランスライターの森谷です。今回は、ハワイのコーヒーについてお話しします。
高級グルメコーヒーのひとつとして知られるコナコーヒーは、甘い香りが漂い、苦味が少なく酸味もまろやかでスッキリとした味わい。透明感のある大変飲みやすいコーヒーです。ハワイのお土産としても人気ですが、「コナコーヒー」と名乗ることを許されるのは、いくつかの条件や基準を満たした豆だけです。
まずは、ハワイ島南西部のコナ地区で栽培されたアラビカ種のコーヒーであること。火山性の肥沃(ひよく)な土壌や昼夜の寒暖差など、コーヒーの栽培に理想的な条件がそろう、フアラライ山とマウナ・ロア山の麓で栽培されています。
実がなるのは、9月〜2月頃。コーヒーチェリーと呼ばれる赤く熟した実は、手作業で大切に収穫されます。このコーヒーチェリーの果肉をはがし、種を10日以上も天日で乾燥させた後に殻を取り除くと、いわゆるコーヒー豆となる緑色の生豆が出来上がります。
生豆は、ハワイ州で定められた等級に格付けして麻袋に詰められるのですが、コナコーヒーと呼ぶことができるのは、上からエクストラファンシー、ファンシー、No.1、セレクト、プライムの5等級のみ。麻袋ごとにハワイ州の検査官による品質・等級チェックを受け、合格した豆だけをコナコーヒーとして出荷することができるのです。コナコーヒーの生産量は、世界のコーヒー生産量の1%以下と希少で、多くはハワイやアメリカ本土で消費されるため、日本に入ってくるのはわずかなのだそう。
焙煎(ばいせん)されたコナコーヒーの豆は、純度100%のものを「コナコーヒー」、10%以上使用したものを「コナブレンド」として販売しています。100%コナコーヒーを探しているなら、パッケージに「100% Kona Coffee」と書かれているものを選びましょう。さらに、5等級のほかに「ピーベリー」と呼ばれる希少なコーヒーもあります。通常、コーヒーの実には平らな2粒の豆が入っているのですが、まれに丸い豆が1粒だけ入っていることがあり、それを焙煎したものです。丸い豆は均一に焙煎することができるので、より深く濃厚な味わいになるのだそうです。日本ではなかなか手に入らない豆なので、コーヒーが好きな方はぜひチェックを。
今回はコナコーヒーをご紹介しましたが、ハワイのコーヒーはコナだけではありません。ハワイ島には、カウコーヒー、プナコーヒーといった、今、注目されているコーヒーがあり、またカウアイ島、オアフ島、マウイ島、モロカイ島でもコーヒーは栽培されています。ハワイのカフェは、焙煎にこだわり、1杯ずつ丁寧にいれるサードウェーブスタイルが定着しています。本場ハワイで、ハワイ産のコーヒーをじっくり飲み比べてみるのもいいですね。