2021年4月9日掲載
アローハ! フリーランスライターの森谷です。
ハワイには、「宇宙に一番近い」といわれる場所があります。
それはハワイ島にある、標高4,205mのハワイ最高峰マウナケア*1。地球上にはほかにも高い山はあるのに、なぜマウナケアがそういわれるのでしょうか?今回のハワイ便りでは、その謎に迫りたいと思います。
雲を見下ろせるほど高いマウナケア山頂は晴天の日が多く、空気が乾燥していることで風向きが安定しています。また、ハワイ島には大きな街がなく人工的な光の影響が少ないことなど、天体観測のための好条件がそろっています。そのため、日本の国立天文台ハワイ観測所がすばる望遠鏡を設置しているほか、各国の望遠鏡が並ぶ天体観測地としても有名です。 *2
富士山より約430メートルも高いマウナケアですが、裾野が大きく広がっているため傾斜が緩やかで、山頂付近まで車でのアクセスが可能です。空の青さと大地の土の色というコントラストの中、道を進んでいくと見えてくるのは白い観測施設と雲の海。実際に見ると、まるで違う星にたどり着いたような感覚を抱くことでしょう。
旅行者向けのマウナケアツアーでも、肉眼でかなり多くの星を見ることができます。まさに、星空に手が届きそうな体験ができるのです。
マウナケアは、実は世界一高い山だともいわれています。マウナケアは海から隆起した火山のため、ふもとは海の中にあります。海底から測定すると、高さは10,203mに。陸地にふもとがある標高8,848mのエベレストを抜き、世界一高い山といえます。
また、ハワイの人々にとってマウナケアは、古代から天と地をつなぐ場所といわれる聖地で、頂上は雪の女神ポリアフが住まう土地としてあがめられてきました。ハワイは常夏のイメージがありますが、冬には山頂の気温が0℃以下になることもしばしば。ハワイ語で「白い(kea)山(mauna)」の名前のとおり、山頂付近が雪で覆われます。冷たく、ピンと張りつめた空気と荘厳な眺め、神聖な場所とされてきた理由がわかる気がします。
空からこぼれんばかりの星空を体験できるマウナケア。サンセットやサンライズも美しく、世界屈指の絶景スポットといえるでしょう。ハワイ島を訪れる機会があれば、ぜひ立ち寄っていただきたい場所です。