2021年10月8日掲載
アローハ! フリーランスライターの森谷です。
ハワイと聞いて連想する動物といえば、イルカ、アザラシ、ウミガメといった海洋動物だと思います。では、陸の動物で最初に思い浮かぶのは?
私は「にわとり」です。
ホノルルのビル群で遭遇することはめったにありませんが、ワイキキ近くのダイヤモンドヘッド周辺やホノルル郊外の公園、ビーチの駐車場、そして、ローカルタウンでもにわとりをよく見掛けます。
ハレイワでは、名物ガーリックシュリンプの屋台の周りを集団でウロウロ。人を怖がることなく、おこぼれにあずかろうと果敢にテント内のテーブル近くまで寄ってきます。
マウイ島やカウアイ島など自然豊かな島々ではさらに多く、空港に到着後すぐに敷地を歩く姿を見かけることがあります。
道路を歩くにわとりを初めて見た時は驚きましたが、ハワイのにわとりの多くは、軍鶏(しゃも)のような茶と黒の羽根のにわとりで、見慣れてくるとハワイの自然になじんでいるような気さえしてきます。
しかし、なぜハワイには野生のにわとりがいるのでしょうか?
もともとにわとりは、ポリネシアの人々がハワイへ移住する際に家畜として持ち込んだといわれています。新鮮な卵が毎日手に入ることから、現在でもにわとりを飼う家庭が多いそう。その家庭から逃げ出した野良にわとりが繁殖し、野生化していったという説があります。
なかでも「チキンアイランド」の別名を持つカウアイ島は、ハワイで最もにわとりが多く住む島です。もともといた野生のにわとりに加え、ハリケーンが直撃した時に養鶏場が倒壊し、逃げ出したにわとりが繁殖して増えていったそうです(諸説あります)。また、カウアイ島にはにわとりの卵やヒナを襲うマングースがいないことも野生化したにわとりが繁殖する理由だといわれています。
増え続ける野生化したにわとりは、早朝の鳴き声や衛生面などでも歓迎されておらず、ホノルル市では、過去にかなりの予算を投じて捕獲を行うなど、にわとりには頭を悩ませているようです。
一方、カウアイ島ではTシャツやマグカップなどにわとりをモチーフにしたお土産グッズが販売されており、にわとりも観光業に一役買っています。
日立の樹があるモアナルア・ガーデンでものんびりと芝生を歩くにわとりに出会うことができます。ひよこたちに寄り添う親鳥の姿は、ほほ笑ましい光景ですよ。