2022年4月12日掲載
アローハ! フリーランスライターの森谷です。
桜の便りとともに桜餅、端午の節句にかしわ餅など、季節の移ろいや行事に欠かせない和菓子。
日本文化が受け継がれるハワイでも、桃の節句、端午の節句、そして新年やお祝い事にも欠かせない和菓子があります。それは、紅白の「Chichi Dango(チチダンゴ)」。ハワイの家庭でよく作られる、もち粉とココナッツミルク、砂糖で練り上げたお菓子です。
チチダンゴと聞いて「広島名産の乳団子?*」と思われる方もいらっしゃるでしょう。ホノルルには、100年も前からチチダンゴを販売する老舗の和菓子店があり、先代が広島に渡って乳団子作りを学んだのがハワイのチチダンゴの始まりのようです。明治時代に広島からハワイへ移民として渡った人が多くいたこともチチダンゴが定着した理由でもあるでしょう。
海を渡ったチチダンゴは、ハワイ流に変化していきます。広島の乳団子は牛乳を使っていますが、ハワイの家庭で作られているのは、ココナッツミルクを使った南国らしいフレーバーです。生地を型に入れてオーブンで焼いている間も、甘いココナッツの香りがキッチンに漂っていました。焼き上がりはふわふわと柔らかく羽二重餅のよう。一口サイズにカットしたら、かたくり粉をまぶして完成です。
お味は…… 柔らかくミルキーでまろやかな甘さ。口の中でココナッツの風味が広がります。ハワイではキャラメルのように紙に包んで店頭に並んでいるので私もハワイ柄のペーパーで包んでみました。
そして、以前「モチコチキン」のレシピをご紹介した回にも登場したもち粉。ハワイでは、もち粉を使ったお菓子のレシピがいくつもあります。スーパーマーケットのMochiコーナーには、鮮やかな緑、ピンク、黄色の皮にピーナッツバターやココナッツの餡(あん)が入った「モチ」(日本の大福風)やもち粉にたっぷりのバターと砂糖をミックスして焼いた「バター餅」もチチダンゴと並んで人気のおやつです。ハワイ旅行の際には、ぜひ、ハワイ名菓を召し上がってみてください。