2023年2月9日掲載
アロハ! ハワイ在住のライター、酒井美奈です。今回の「ハワイ便り」は、オアフ島のモアナルア・ガーデンからお届けします。
(現在、モアナルア・ガーデンは一時休園中のため、過去の写真を使用して構成しています。)
モアナルア・ガーデンにある日立の樹は、ハワイのほかアジアや太平洋の熱帯・亜熱帯の各地域に広く移植されているモンキーポッドという常緑広葉樹です。ハワイ語では、オハイ(ʻohai)と呼ばれます。場所やそれぞれの木によっても少しずつ違いますが、日立の樹は5月ごろと11月ごろに花を咲かせます。
常夏の日ざしが和らぎ気温が少しずつ下がるころ、日立の樹は薄緑色のつぼみをつけ、それはやがて淡いピンクに色づきます。
そして10~11月ごろ、つぼみは濃いピンク色の繊細な花となり、北から吹く涼しい風にふわふわと揺れます。この時期の日立の樹は、大きな木にたくさんの花が咲いて、とても華やかです。
花の時期が終わると種を包んださやがなり、その鮮やかな緑色が深い茶色に色づき、さやは大きな木の下に落ちていきます。
冬に向けて花を咲かせ、新しい年に種が実り、春にまた花の季節を迎える。この生命の営みを100年以上続けてきた日立の樹は、今日も悠々と大地に根を張り、枝を広げ、降り注ぐ日の光に包まれています。