2020年7月10日掲載
アローハ! フリーランスライターの森谷です。今回は、新型コロナウイルス感染拡大防止のための外出禁止令や渡航制限がもたらした、ハワイの海の変化についてお話しします。
現在、ハワイでは万全の対策を行いながら、新たな日常に向けて少しずつ慎重に動き出していますが、5月15日までの間は、サーフィンや水泳など海で運動する以外は、砂浜に座ったり立ち止まったりすることも禁止という厳しい制限が出されていました。
「ワイキキの海がきれいになっている!」とSNSに写真が投稿されるようになったのは、条件付きでビーチが開放された5月中旬頃から。
この頃のワイキキビーチは、海水の透明度が高くキラキラと輝き、砂浜もまるで浄化されたようにきれいでした。
美しく静かなビーチを一番喜んでいたのは、海洋動物かもしれません。4月には、ハワイ固有種で絶滅危惧種に指定されているハワイアンモンクシール(和名:ハワイモンクアザラシ)*の数が、例年よりも増加しているというニュースが流れました。またオアフ島で目撃されたという情報もあります。長年ハワイを訪れている私も、オアフ島でモンクシールを目撃したのは一度だけ。とても珍しいことなのです。
また、オアフ島東海岸のベローズビーチでは、ハワイ語でホヌと呼ばれるアオウミガメが巣作りを始めました。ベローズビーチでの巣作りは初めてのことですし、オアフ島で巣作りが行われるのも珍しいことなのだそう。このビーチは空軍基地内にあり、週末のみ一般開放されているのですが、ホヌの営巣エリアは卵が孵化(ふか)する9月上旬まで閉鎖され、軍や専門家によって保護と監視が行われます。
ビーチが閉鎖されたことで、本来の海の美しさを取り戻しつつあるハワイ。私自身、ハワイの自然の素晴らしさを改めて考えるきっかけとなりました。
2021年1月には、サンゴ礁を傷付ける日焼け止めの流通・販売を禁止する日焼け止め規制法が施行されます。新型コロナウイルス感染症の収束後にハワイを訪れる時には、ハワイの自然に敬意を払い、旅行者としてのマナーを守って滞在したいものです。