2022年7月22日掲載
アローハ! フリーランスライターの森谷です。
オアフ島の東海岸線をドライブしていると、ハイウェイ間近に屏風(びょうぶ)のようにそそり立つ断崖が続きます。これは、オアフの東にそびえるコオラウ山脈。この山脈がオアフの各エリアの天候に違いをもたらしているのです。
ハワイの島々では、北東から吹く涼しくて湿気のある貿易風が山にぶつかり雲になることで、山の北東側に雨を降らせます。オアフ島では、コオラウ山脈に貿易風がぶつかるため、東海岸のカイルアやカネオヘは降雨量が多く、山脈には熱帯のような森林や風雨による深い浸食が見られます。
コオラウとはハワイ語で「風上」という意味ですし、東海岸一帯が「ウィンドワード(風上)」と呼ばれるのは、貿易風が吹き込むエリアだからなのです。
一方、ワイキキなど風下に当たる南西側は、山脈によって風雨から守られた晴天が多いエリアです。東海岸の町ではひどく雨が降っていたのに、コオラウ山脈のトンネルを抜けてホノルルに戻ってきたらカラリと晴れていた……ということがたびたびありました。なお、ホノルルの中でも、山側の高台にあるマノアは朝に雨が降ることが多く、美しい虹が出現する町として知られています。
私はまだ動画や画像でしか見たことがないのですが、コオラウ山脈に雨が降ると、深いひだのように浸食した山肌を伝うように何本も細い滝ができます。これはとても神秘的な光景です。滝はすぐに消えてしまうそうですが、いつか雨が降ったときに見に行きたいと思っています。