2023年1月10日掲載
アローハ! フリーランスライターの森谷です。
コロナ禍をきっかけに海は美しさを取り戻し、絶滅危惧種の海洋生物たちがビーチでのんびりと過ごす姿が見られるようになったハワイで、耳にするようになったのは「マラマ」や「サステナビリティ」、「ゼロウェイスト」という言葉です。
今、ハワイ州観光局が企業や団体とともに取り組んでいる「マラマハワイ(Mālama Hawaiʻi)」。マラマとは、ハワイ語で思いやりの心という意味で、ハワイのすばらしい伝統文化や自然を守り、サステナブルツーリズム(持続可能な観光)を推進しています。
例えば、ホテルでは、これまで客室に置かれていたミネラルウォーターのペットボトルが空の水筒に替わり、ロビーに設置したウォーターサーバーで水を入れるシステムに。シャンプーやコンディショナーなどのアメニティも詰め替え式のポンプ容器に替わり、海洋汚染につながるプラスチックの削減に取り組んでいました。
また、街には、ゴミをできる限りゼロにすることを目的としたゼロウェイストショップが増え、持ち込んだ容器にスキンケアやヘアケア商品を量り売りで購入できるようになりました。
今は世界中の人気観光地で、旅行者にも「責任ある観光」が求められています。旅行者は何ができるのか? とても難しいことのように感じますが、これまでハワイ便りでご紹介した3つのアクションも、ハワイの美しさを保つことにつながるそうです。
以前より遭遇する機会が増えた絶滅危惧種のハワイアンモンクシール(和名:ハワイモンクアザラシ)やウミガメなどの海洋生物たちは、州法と連邦法のもとで保護されており、見学する際は、決められた距離を守らなければなりません。
(第143回 ワイキキビーチのハワイアンモンクシール)
海やサンゴ礁を守るため、ハワイでは有害成分(オキシベンゾンやオクチノキサート)が入った日焼け止めの販売を禁止する日焼け止めの規制法が2021年より施行されました。現在ハワイで販売されている日焼け止めには、有害成分は含まれていません。日本から持ち込む際は、成分表示をチェックしましょう。2022年10月1日からマウイ郡はさらに厳しくなり、ノンミネラルサンスクリーンの流通・販売禁止条例が施行されています。
(第95回 世界初の日焼け止め規制法が成立)
日本でも環境問題に配慮して、ビニール製のレジ袋が有料化されていますが、ハワイでは、レストラン等でプラスチック製の使い捨て食器類の使用も禁止されています。エコバッグ、マイボトルやマイストローを持ち歩きましょう。
(第107回 かわいくてエコにも役立つコットン製の食品ラップ、第55回 環境保護への取り組みは一人ひとりの意識から)
旅行先の住民が大切に守っている自然や文化、習慣に敬意を払い、正しい行動を取ることができる旅行者を「ポノトラベラー(Pono Traveler)」と言うそうです。ポノはハワイ語で、善良性、親切心、真心などの意味を持つ言葉。私たちがいつ訪れても変わらず美しい島であるように、思いやりの心を持って訪れたいものですね。